Alexander McQueen
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マックイーンを記録する:ハーネス

マックイーンを記録する:ハーネス

この反骨的なハウスコードに込められた意味を紐解きます。

ハーネスは、ブランドのアーカイブを探究し、初期コレクション以来メゾンを形作ってきたデザインディテールや普遍的なコードの起源をたどるシリーズ「Documenting McQueen」の最新エピソードの主題です。

繰り返し登場するモチーフであるハーネスは、McQueen の核心にある構造と自由、拘束と解放のあいだの緊張感を体現しています。

McQueenのハーネスの起源は、メゾンの初期コレクションにまで遡ります。力強く反骨的なディテールとして登場したハーネスは、構築的なテーラリングと組み合わせられたり、柔らかなシルエットとの対比によって表現されたりしてきました。

1999年春夏コレクション「No.13」では、レザーのハーネスが幾重にも重なったラッフルレースを支え、硬質な構造と流れるような動き、そして繊細な素材とのコントラストを生み出しました。ヴィクトリア朝のコルセットや身体を支える装具から着想を得たこのルックは、相反する力への Lee Alexander McQueen の探究心を映し出しており、今日までメゾンのコレクションに受け継がれるデザイン言語を確立しました。

Spring Summer 1999 No.13
Spring Summer 1999 No.13

1999年春夏号 「No.13」

ハーネスは、2002年秋冬コレクション 「Supercalifragilisticexpialidocious」 において再び登場しました。このシーズンのジャケットとスカートには、縫い目に沿ってレザーの装飾が組み込まれ、バスト下を包み込むように配されることで、シルエットを際立たせています。Helmut Newtonの写真作品に関連するイメージから着想を得たこのデザインは、拘束の形態に宿る力を探求し、それを構築的なテーラリングとの絶妙なバランスで表現しました。

ハーネスはまた、McQueenメンズウェアを象徴する要素ともなりました。2004年秋冬コレクションでは、現在ではアイコンとなった 「Harness Shirt」 が初登場。ライフルスリングから着想を得て、パネルディテールとして服の構造に組み込まれました。この反骨的なデザインは今日ではメゾンのシグネチャーとなり、毎シーズン、新たな素材やプリント、メタルパーツのディテールを通じて再解釈されています。

ハーネスの進化は、ミラノで発表された2005年春夏の初の単独メンズウェアショーへと続きます。シルクのボイラースーツやベージュのウールテーラリングの上に重ねられた精巧なタンレザーのハーネスは、伝統的なメンズブローグシューズの職人技を体現すると同時に、軍用パラシュートを思わせるテクニカルなシルエットを表現しました。繊細なパンチングレザーのディテールとスカラップエッジは、伝統と機能性を予想外の装飾へと昇華させています。

Left: Autumn Winter 2002. ‘Supercalifragilisticexpialidocious.
Autumn Winter 2002. ‘Supercalifragilisticexpialidocious.
Menswear Spring Summer 2005
Menswear Spring Summer 2005

左:2002年秋冬コレクション。「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」。右:2005年春夏メンズウェアコレクション。

構築性と抑制というテーマの探求をさらに発展させた2002年春夏コレクション『The Dance of the Twisted Bull』では、ハーネスをテーラリングのシルエットに新たな形で取り入れました。闘牛に見られる力と制御の緊張感あふれる相互作用に着想を得た赤いテーラードジャケットには、ウエスト部分で身体を縁取るハーネスを思わせるストラップディテールがあしらわれ、精緻なカッティングを際立たせています。このデザインは、強さ、規律、そして自己表現との永続的な結びつきを強調するとともに、緊張と変容の場としてのテーラリングに対するMcQueenの探求を継続するものでした。

Spring Summer 2002 ‘The Dance of the Twisted Bull’
Spring Summer 2002 ‘The Dance of the Twisted Bull’

2002年春夏コレクション「The Dance of the Twisted Bull」

テーラリングにおける反復的なモチーフとしてのハーネスの伝統を受け継ぎながら、Seán McGirr は 2026年春夏コレクション でこのコンセプトを再解釈しました。1970年代の映画『The Wicker Man』から着想を得たこのコレクションは、拘束と本能のあいだに存在する緊張感を探求しています。タキシードジャケットには、身体を包み込みハーネスのように引き締めるブラックサテンのリボンがあしらわれ、映画の印象的なシーンに登場するメイポールのリボンを想起させます。

緊張と変容の象徴として、ハーネスは今なお McQueen を代表する表現のひとつであり、強さ、脆さ、そして反骨精神を体現し続けています。

2026年春夏

Documenting McQueen:ハーネス 本エピソードはChanel Moyeが撮影し、音楽はJoss Davyが手がけました。

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